直列連接LDGM符号を用いた半二重中継通信法

摘要

中継通信システムの性能を高めるために，符号化協調ダイバーシチ方式が近年注目を集めている．符号化協調においては，中継通信路容量を達成する符号としてLDPC (low-density parity check)符号を利用した，LDPC分散符号化法が提案されているが，符号化処理が複雑であるという問題点がある．一方，直列連接LDGM (SCLDGM: serially-concatenated low-density generator matrix)符号はLDPC符号と同等の通信路容量を達成しつつ，簡易·高速な符号化を実現する符号として注目されている．しかし，SCLDGM符号を用いた中継通信手法は検討されていない．本稿では，SCLDGM符号を用いた半二重中継通信手法を検討する．SCLDGM符号に適した新しい分散符号化法を提案し，計算機シミュレーションにより3種の協調プロトコルを評価した．その結果，通信路環境に適した協調プロトコルを適用した場合，提案SCLDGM分散符号化がLDPC分散符号化と同等の誤り率特性を発揮することを示す．