循環遅延ダイバーシチを用いた時空間ブロック符号化AF中継伝送

摘要

筆者らはこれまで，無人航空機（UA）を用いる無線中継システムのための時空間ブロック符号化非再生（STBC-AF）中継伝送を提案した．このSTBC-AF中継伝送ではUAで複素共役演算とブロック入れ替えからなるAF-STBC符号化を行う．受信局では送信局-UAリンクのチャネルとUA-受信局リンクのチャネルの積で表される等価チャネルを用いて周波数領域等化，ダイバーシチ合成およびSTBC復号を行う．これまでの検討により，中継UA数を増加させることによって優れたビット誤り率（BER）特性が達成できることを明らかにした．しかしながらUA数が3機以上の場合，AF-STBC符号化による符号化率の低下によりスループットが低下してしまう．そこで本稿では，循環遅延ダイバーシチ（CDD）を用いたSTBC-CDD-AF中継伝送を提案する．STBC-CDD-AF中継伝送では，複数のUAを2つのグループに分け，グループ単位で中継UA数が2本の場合のAF-STBC符号化を適用する．そして，それぞれのグループ内で，UAごとに異なる循環遅延を与えてAF-STBC-CDD符号化信号を生成して受信局に送信する．計算機シミュレーションにより，BER特性とスループット特性を明らかにし，UA数が4機の場合，STBC-CDD-AF中継伝送はSTBC-AF中継伝送より高いスループット特性が得られることを明らかにしている．