中国の購買調整でクローム鉱石市況下押す

摘要

中国のクローム鉱石に関する輸入購買意欲が調整期に入ったため南アフリカ鉱石など輸入鉱石に対する中国の買い指し値は軟化してきた。また、中国のフェロクローム（高炭素品）のローカル相場も9月に入ってステンレス鋼減産を嫌気して下落しており、2009年4月以降、中国の輸入増に追随して回復基調を続けてきた中国のクローム鉱石市況動向も転機にきている。中国のステンレス銅生産の根底は長期トレンドでは増産基調なので一定の調整期間を経過すると回復に向かうと観測されている。しかし、大手ステンレス鋼ミルは足下では90％操業とフル·ベースで走ってきたためステンレス鋼材の過剰在庫がWuxiとFoshanに30万トンと2007年以来の高水準で貯まっている。10月も減産と調整期間は長くなりそうだ。