経年による木材の水分吸着特性の変化－歴史的建造物由来ヒノキ古材を用いた検討

摘要

そして，これらの歴史建造物由来古材について，解剖学的特徴に基づく樹種識別により国産ヒノキ（Chamaesyparis obtusa）を選定した上で，年輪年代，放射性炭素を用いた年代測定を行い，文書調査と総合し，成育および使用期間の履歴を明らかにした。本報告では，履歴の明らかな歴史的建造物由来ヒノキ材を用いて得られた素材特性に関する知見のうち，水分吸着特性について述べる．とくに，飛鳥期から現在までのヒノキ材それぞれの水分吸着等温線を測定し，Hailwood-Horrobin吸着理論の適用によって解析し，経年による木材の水分吸着特性がどのように変化するかについて考察する．