栽植様式が小ギクの開花斉一性に及ぼす影響

摘要

小ギク生産では、労働時間の約半分を収獲.調製作業が占めており、その省力化は重要な課題である。露地生産で規模拡大の進hでいるキャベツでは、収穫機開発と併行して生育の斉一性に関する研究が行われ、一斉機械収穫の実用化につながつている。小ギクにおいても、収穫機や選別機の開発が進められており、栽培面からも開花斉一性を高める技術開発が必要となつている。わが国の小ギク生産は、産地背景によつて様々な栽植様式が用いられている。奈良県など西南暖地では2条植え摘心栽培、岩手県など東日本では1条植え摘心栽培、沖禅の冬春期生産では4-5条植えの摘心および無摘心栽培などである。施設生産では、8-3条植えの無摘心栽培も行われている。しかし、これらの栽植様式の違いが開花にどう影響するかについての知見は非常に乏しい。そこで本稿においては、キャベツなどと同様、小ギクで機械化の前提となる一斉収穫を可能とするような開花斉一化を目指し、栽植様式が群落内の光環境と開花斉一性に及ぼす影響を検討した結果を紹介する。