硫黄酸化細菌を使用したトマトロックウール栽培排液の硝酸態窒素除去法

摘要

ロックウール等の固形培地を使った養液栽培では、通常、作物が必要とする量以上の培養液を給液し、その約2～3割を余剰液として栽培系外に排出することで、培地内の培養液の濃度やバランスを維持している。 しかし、この排液には窒素等が含まれでいるため、河川等へ流出すると水質の汚染が懸念される。近年これに対応し、窒素等の排出量を削減し、環境負荷を低減するため、排液の再利用技術が開発されつつある。 しかし、再利用のためには、培養液の殺菌や培養液肥料成分の再調整が必要となり、装置コストや分析～計算の手問が多くかかるなどの課題も多い。 そこで、簡易な方法で排液を浄化してから系外に排出する技術を検討したので、その結果を紹介する。 この技術開発に当たっては、トマトやバラの固形培地耕から排出される高濃度の排液を浄化できること、高度な制御機器や特別な知識を必要としないことを条件とした。