栽培面から見た病害虫対策の基本

摘要

ホウレンソウは葉菜として葉を食用とすることや、2006年に農薬のポジティブリスト制（どのような農薬であっても一定量を超えて食品に残留するとその食品の流通が禁止される）　 への移行が行われたことからも、農薬を多量に使用するような栽培法は歓迎されなくなってきている。 ホウレンソウでは、生育初期の病害虫の発生は枯死や著しい生育の遅延につながり、発生後の防除による回復は困難である。 また、播種～収穫までの期間が最短で1カ月程度と短いため、病害虫発生時に収穫日までの残日数が不足し、登録農薬の散布が不可能となる場合がある。したがって、ホウレンソウ栽培における病害虫対策は発生前の予防的対策が中心となる。