研究や技術指導陣は日本の花きの先が見えているのか

摘要

花を生産、利用する花き園芸と樹木や芝など緑をデザインし修景する造園は学問的にも産業的にも常に世界を分けてきた。 花を主役とするイングリッシュガーデンや植栽をデザインするコンテナーガーデンなどに沸くガーデニングブームは花き園芸と造園の谷間に生まれている。 花きや造園の専門家が入り得ないこの分野は商業デザインやフラワーデザインの人達がガーデンプランナーやプラントデザイナーなどの肩書でこの新分野を開拓している。 ましてこの空白地帯には研究者もいない。このような中で昨年の秋、園芸学会のシンポジウムで初めて「花き園芸とランドスケービング」なるテーマが取り上げられ議論されている（資料1）。 その司会者、宇田明氏は「大学、国公立農業試験場、農協等で花きを専門とする研究者、技術者が増大した今日、花き園芸にとっては従来の範ちゅうにとらわれず、ランドスケービング分野へ踏み出す絶好のチャンスである」と述べ、さらに「花と緑を利用しているランドスケービング業界と花き園芸の接点を求め、花き園芸に何が求められているかを明らかにするためこのシンポジウムを計画した」と述べている。