トマトの市場動向

摘要

東京市場に入荷する野菜の種類は多種多様で、統計コードでは九類一三五品目に分類されている。 総入荷量は野菜の自給率の低下とともに微減傾向にある。 平成十年の実績は一七三万二〇〇〇t、前年比九六％、平成に入って最少の入荷量となった。 また、平均価格は平成三年の垣一六二円を最高に年々安値傾向にあったが、十年平均価格は二五七円前年比二七％、この要因は秋野菜の品薄高騰要因が大きい。 これを持って今後野菜価格も上昇に転ずるとみるのは早計である。 しかし日常生活には必需的需要品として欠かせない野菜の価格は底固いものがある。消費者の食の多様化から周年需要、品質向上等の希求も強い。 また、スーパー、量販店の顧客満足追求の販売強化は産地、時期、品種別間の市場価格形成にも少なからず彪響を与えでいる。 産地の有利販売追求には競合産地、消費動向等を踏えた対策等が一層望まれる。と同時に、品目個々の動向分析も重要である。そのなかで作型選定、品種導入、販売期間等の生産販売面の新たな構築が求められている。 そのなかで平成十年東京市場年間取扱高第一位のトマトの動向について概略してみる。