害虫誘引植物を用いた雨除け栽培卜マ卜での白ぶくれ症抑制

摘要

近隣に生育する植物間には相互に依存して害虫からの攻撃を防ぐ作用がある。これには①解を提供することで害虫の天敵を引き付ける作用、②刺、有害物質、臭い、遮蔽などで害虫の加害を阻止する忌避作用、③害虫を引き付け近隣の植物への加害を抑制する誘引作用が知られている。これらのうち、誘引作用を利用しての害虫防除は、圃場周辺ゃ圃場内に害虫が選好する誘引植物を栽培して害虫を誘引し、農作物へ到達する害虫数を減らす方法であり、この方法は何年も前から知られており、海外の多くの伝統的農業では現在も利用されている。近年、有機栽培や総合的病害虫-雑草管理，(ーPM)に組み込む害虫制御の手段として、この方法に関心が高まつている。誘引植物を用いた害虫防除では、誘引植物が害虫の溜まり場となり、農作物への害虫の移動を阻止する機能に加え、誘引レた害虫を死亡させたり次世代の発生を抑制したりできる植物は、害虫防除への利用価値が高いとされている。