モモ'清水白桃'の生理的落果に対するジべレリン処理の影響について

摘要

多くの果樹では、果実の発育途中で、ある程度の割合で生理的落果が発生する力、モモのには「ジュ一ン ドロップ」などと呼ばれるように、梅雨時に落果が起こ ること力多く、その割合が多いと収量低下につながるた め問題になっている。生理落果の割合は品種、樹勢ゃ天 候などによつて変化することが知られているが、詳細な メ力二ズムゃ防止法は明らかにされていない。岡山大学 の福田ら（文献）は、西日本で雜力盛hに行われてい る中晩生品種'清水白桃'の生理的落果についてジべレ リン処理の影響について報告しているので紹介する。'清水白桃'は、高い果実品質を有しているが、比較 的生理的落果と核割れが多い。モモ果実の発育は3つの 時期に分けられるとされる力生理的落果が発生する時 期は、細胞分裂と最初の肥大が起こる第1期ではなく、 モモ果実の中心部にある核が硬く木質化してくる第2期 (硬核期）から、その後果肉肥大が盛hになる時期（第 3期）初めにかけてである。この時期は、核の中で胚ゃ 胚乳が盛hに生長する時期であり、それらからジべレリ ン力生成されていることが報告されている。このジべレ リンが落果を抑制していると考えられており、著者らは 以前の報告で、人為的に核を破壊した際にジべレリンを 注入することで落果が抑制されることを示している。