APEC首脳会議T P P貿易自由化の土台に/加盟匿、地域に温度差

摘要

神奈川県横浜市で開かれたアジァ太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は一一月一四日、将来的なアジア太平洋自由貿易圏(FT A AP)構想実現などを盛り込hだ首脳宣言「横浜ビジョン」を採択して閉幕した。FTAAPの土台の一つとして、環太平洋経済連携協定(TPP)を位置付けることを確認した。米国は議長国として平成一ニニ年一一月にハワイで開くAPEC首脳会議までに、TPPの交渉妥結を目指しているとされている。ただ、APEC加盟国、地域間でも、TPPの推進には中国やタイ、インドネシァなど慎重な国々も多く、 F T A A P構想実現への道筋が描けたとは言い難い状況だ。TPPは原則的に、農畜産物などの物品の関税はすべて撤廃し、域内の貿易の自由化を加速度的に進めるもの。シンガポールとニュジーランド、ブルネィ、チリの間で二〇〇六年に発効している。昨年一一月、米国が参加の意向を表明し、加盟国の拡大交渉に乗り出すようになつてから、世界的に注目を集めるようになつた。