薬局統合 葉剤師たちの挑戦

摘要

長年,米国のノウハウを掲げ看護部門と薬局部門の両輪で主として在宅輸液療法の分野で事業を行ってきたケアマークは, 1999年3月薬局の無菌調剤部門を株式会杜ダイヤライフに統合した。 これによりダイヤライフの1店舗,東京都豊島区の「大塚台薬局」に無菌調剤設備が整いケアマークの薬剤師も移籍した。 大塚台薬局はかねてより近隣の大病院や往診専門クリニックから依頼される在宅患者向けの調剤と在宅服薬指導を専門に行ってきた。 これに無菌調剤が加わることは寝たきり状態の患者に末期癌患者の調剤,服薬指導が加わることになる。一方,本邦でも数少ない無菌調剤技術をもつ元ケアマークの薬剤師たちにとっては,デリバリーがこなせる薬剤師の人数が増えることはサービスの向上に大きなプラスとなる。 われわれ本社薬局部の役割は施設からの情報提供を受けた時点で注入ポンプなどの準備をし,患者の病棟に赴き施設内外の医療スタッフとともにIVH患者の薬剤内容を確認し,医療器材の整理をしていち早く薬局に伝達することである.そして薬剤師は患者の退院日の初日に薬剤,器材のデリバリーと服薬指導を行うスケジュールを立てる。 この退院日初日デリバリーの事前準備は薬剤師たちにとってたいへh大きなストレスを感じるものである。 しかし,ただでさえ不安の多いIVH患者,家族にとって混乱しそうな薬剤,器材の最終確認をしてくれる薬剤師をこれほどありがたく感じることはないだろう。 得てしてチーム医療へのかかわりが薄くなりがちな薬剤師が「安全な投薬」を指導する立場のプロとして,IVHや麻薬投薬の患者に貢献できる可能性は大きいに違いない。