前治療にAnthracycline系抗癌剤を投与した,進行·再発乳癌症例に対するDocetaxelの有効性について

摘要

前治療としてanthracycline系抗癌剤を使用した進行·再発乳癌症例20例に対して, docetaxel(TXT)学割60mg/m~2を3～4週間隔で投与した。 投与例20例中　 complete response (CR) 1例,partial response (PR) 5例,no change(NC) 8例(長期NC2例), progressive disease (PD) 6例で,全体の奏効率は30.0%であった。 前治療のanthracycline系抗癌剤の総投与量別に検討したが,総投与量500mg以上群と, 500mg以下群の間で奏効率に有意差を認めなかった。 病巣部位別の検討では,奏効率の高い順にリンパ節55.6% (5/9),局所40.0% (2/5),肝33.3% (1/3),肺33.3% (1/3),骨23.1% (3/13)とリンパ節を含む軟部組織に対する奏効率が最も高かった。長期NCの2例は骨転移のみの再発乳癌であった。 副作用では,前治療のanthracycline系抗癌剤の投与量500mg以上群におけるGrade3以上の白血球減少,および好中球減少の発現率はどちらも72.7% (8/11)と,500mg以下群の11.1% (1/9), 33.3% (3/9)と比較して高率であった。 anthracycline既治療進行·再発乳癌患者の二次化学療法として-, TXTは有効であった。