集学的治療によつて長期生存が得られたHER2強陽性乳癌脳転移

摘要

症例は55歳，女性。右乳腺腫瘤を主訴に当院を受診され，精査したところ両側乳癌[RtABCDE, T3N1M0, ER (-), PgR (-）， HER2:3 + , Stage HIA; Lt: C, T2N0M0, ER (―), PgR (-), HER2:,1 + , Stage HA]と診断された。NAC (EC followed by docetaxel),を施行し効果がPRであった。手術（RtBt + Ax, Lt Bp + Ax)を施行し，病理では両側ともに組織 学的治療効果はGrade lbであった。術後は左残存乳房に対する放射線治療を行い，経過観fしていた。術後9か月目に肝転 移が出現し，weekly paclitaxei+ trastuzumabを12コース施行しPRを得た後，trastuzumabで単剤投与を継続していた。術 後19か月目に小脳転移を認め，腫瘤摘出およびgamma-krdfeを施行した。術後26か月目に新たな小脳転移が出現し，再び gamma-knifeを施行。さらに肝転移もPDとなりvinorelbine + trastuzumabに変更し，肝転移はCRであつた。術後45か月 目に前回治療部位の近傍に小脳転移が出現しgamma-knifeを行つた。術後59か月目に肺転移を認め，lapatinib + capecitabine に変更し，30か月（術後89か月目）経過したが脳.肝.肺転移ともにPRを維持している。