がhゲノム情報による免疫療法のPrecision Medicine(第31回日本バイオセラピィ学会より）がhゲノム医療の現状と今後-免疫療法への応用-

摘要

要旨がh遺伝子パネル検査がわが国でも承認され，プレシジョンメディスンが本格的に実装され，その体制作りが進めら れている。がhの遺伝子変化を解析することにより効果が期待される治療薬の使用が期待されるが，多くは分子標的薬であ る。また，実際に指定された薬を用いることができる割合は必ずしも多くない。そのなかで免疫チェックポイント阻害薬のバイオマーカーが主目されている。効果予測マーカーとして，PD-L1の発現と独立した腫瘍変異負荷の臨床応用が待ち望ま れている。すでにわが国でも臓器を越えコンパニオン診断薬として承認されたMSI検査やdMMR関連検査も，ICIの選択 に有用である。これらはがh遺伝子パネル検査でも情報が得られ，免疫療法を含めたより多くの抗悪性腫瘍薬が用いられる ことが期待される。