Bevacizumab

摘要

bevacizumab（Avastin：アバステン）は血管内皮増殖因子VEGF（vascularendothelialgrowth factor）に特異的に結合するヒト化（93％）IgG 1モノクローナル抗体である。 米国ではすでにFDAによって2005年2月に大腸癌に対する抗癌剤と併用での投与が認可になっているし，最近わが国でも治験が開始された。 　 痛が増殖するためには，癌組織に血液を補給するための血管新生が不可欠であり，そこには血管新生を正　 あるいは負に調節する多数の因子が働いている。 その中で最も大事なのがこのVEGFである。 VEGFは癌細胞のほかマクロファージや血管内皮細胞などの宿主細胞からも放出される。 血管新生因子の発現は癌の予後とも相関する。 VEGFをめぐっては多くの阻害薬が開発中である。 すなわち，抗VEGFモノクローナル抗体，VEGF受容体テロシンキナーゼ阻害薬，抗VEGF受容体モノクローナル抗体，遊離型VEGF受容体などである。 その中でbevacizumabはVEGFがその受容体VEGFRに結合するのを阻止してVEGFの生物学的活性すなわち腫瘍血管新生を抑制する。