TS－1が有効と考えられた高齢者切除不能進行非小細胞肺癌の1例

摘要

症例は76歳，男性。 喘鳴，血痰,湿性咳嗽,胸痛，嗄声を認め,2005年6月受診。 胸部X線写真,CTにて，左肺上葉の大動脈弓部に接した75×5cmの腫瘤と左肺上葉，右肺下葉内の複数結節陰影，さらに左胸水を認めた。 気管支鏡下肺腫腐生検にて扁平上皮癌と診断。 臨床病期T4N2M1,stageIV期と判断された。 TS－1 120mg/dayと十全大補湯7 5g/dayによる化学療法巷間給した。 grade2の白血球減少ヒ両下肢にgrade1の皮疹を認めたため,TS－1を100mg/dayに減量。 2週間投与1週間休藍十全大補湯7 5g/day食前投与2週間投与を1コースとした。 投与2週間ころより胸痛，血痰が消失した。 胸部CTにて胸水消失，腫瘤陰影の縮小傾向も認められた。 毛吉事象はgrade1の白血球減少と悪心を認めるのみでぁった。 以後列来にて11か月間に同内容投薬を17コース継続できた。 この間,患者のquality of life（QOL）は十分に保たれた。 2006年5日胸部CT，PET検査で腫瘤中心部の壊死と考える所労を認めた0また，肝外側区域に腫瘤陰影を確認した。 TS－1は高齢者切除不能非小細胞肺癌に対する治療法として．1段階の減量投与または2週間投与1週休薬にて投与継続が可能となり，患者のQOLを保ちながら抗腫瘍効果を期待ごきる可能性があると考えられた。