ポリプロピレン

摘要

2004年は，年初からナフサが急騰し，ポリプロピレン樹脂（PP）の値上げを実施したものの，値上げのタイミング遅れがあり，PPメーカー各社は厳しい経営を余儀なくされた一年であった。 海外では2000年に設立したばかりのBasell社が売却検討されるニュースがあった。 国内では，本年4月に三井化学㈱と出光興産㈱のポリオレフィン事業合弁会社㈱プライムポリマーが発足するとプレスリリースされた。 この新会社は30万ｔと20万ｔの大型設備2基を傘下に置き，生産能力は年136万ｔで，アジアのトップメーカーとなる。 業界の動きが激しい中で，世界のPP需要は，2002-2007年の伸び率が年6.0％と予想され安定成長が予測されている。 中国市場への輸出を狙った中東·アジア地域での新増設は相当量計画されているが，世界各地域での需給バランスが比較的良好で，中東品のアジア流入の影響は大きくないとの見方である。 ただし，中国の需要伸び率を7.8％とする前提があり，今後中国の経済成長に注視が必要である。