( S296) 炭素鋼δ-γマッシブ的変態における核生成障壁の数値計算

摘要

炭素鋼凝固過程並びにそれに引き続く組織成長·相変態の放射光その場観察により、包晶反応とは大きく異なり、100 K 以上の過冷に達するまで相変態が生じず、相変態が始まると一瞬にて相変態が完了するマッシブ的変態が観測されている。さらに高時間分解能観察から、拡散律速の通常の成長界面とは大きく形状が異なり、極めて不均一な界面形状を呈していることもわかっている。その背後のメカニズムには不明な点が多いため組織制御には至っていない。本研究では、界面エネルギーの代表値を導出し、核生成のエネルギー障壁の変化の数値計算を行うことで、観察されている現象の一端の説明を試みたのでこれを報告する。