( S107) CC モールド鋼板の省エネルギー型冷却技術の提案

摘要

福島原発の事故後、日本では基幹エネルギーの開発はもとより、エネルギー利用のベストミックス、未利用エネルギーの有効利用や省エネルギー技術など、エネルギーに係る多くの技術開発が求められている。特に大量の電力を必要とする製鉄所でも一層の省エネルギー化が求められており、本研究では、連続鋳造工程のモールド鋼板（以降、CC モールド）の冷却における省エネルギー化を目的とし、著者が研究を進めているポーラスヒートシンクを適用することを提案する。ポーラス体を利用した冷却デバイスでは、冷却水の蒸発潜熱ポテンシャルを最大限に活用するため、極めて低流量での冷却が可能となる。本研究では、金属ポーラスヒートシンクを用いたCC モールド熱負荷冷却試験を実施し、低いポンプ動力環境においてモールドからの高い熱負荷6 MW/m2 を除熱できることを実証する。更に得られた知見を総括し、CC モールド実装のための課題と道筋について明らかにする。