マグネシウム合金を用いたNi めっき洗浄排水からの連続Ni 分離処理（排水中の有害金属の除去と有価金属の回収－４）

摘要

一般に、めっき工場から多量に発生する低イオン濃度の洗浄排水は、中和沈殿法により管理対象となるイオンをスラッジ化するこ とで処理されている。このとき中和剤としてCa 系化合物等が広く利用されているが、Mg 系化合物を用いると生成する沈殿が微細な ため、スラッジの減容化ができる1)として注目されている。しかし、MgO等のMg 系化合物は高コストとなるため利用が広がりにくい状 況にある。そこで我々は、将来的にスクラップの有効利用方法の確立が不可欠となる金属Mg やMg 合金に着目し、この表面活性お よび水和に伴う中和反応を利用したイオン分離プロセスを提案している。これまでに実操業を想定したカラム法による検証しており、 その結果、①反応時に発生する水素ガスの速やかな脱離と②Mg 表面に生成される水和反応層の連続的な剥離が連続処理を行う 上で重要であることを明らかにした2)。そこで本研究では、この２つの課題に対応するために転動型反応槽を考案し、Ni めっき洗浄排 水を対象とした連続Ni 分離性能について検討を行った。