Ti-Nb 合金マルテンサイト組織の材料特性に及ぼす冷間加工の影響

摘要

近年、精密機械や音響機器などの振動や騒音を低減するため、制振にかかわる要求がますます高まってき ている。制振能については内部摩擦の大小で評価され、チタン合金は汎用金属材料の中でも特に内部摩擦が低い金 属材料として位置付けられているが、チタン合金でもマルテンサイト組織を利用することにより、高い内部摩擦を 示すことが分かっている。Ti-Nb 合金の焼入れ材における相と内部摩擦の関係では、α’マルテンサイト組織（Ti-15Nb 合金）が最も高い内部摩擦を示し、α”マルテンサイト組織（Ti-20Nb 合金）も比較的高い値を示すことが分かって いる。本研究ではTi-(10,15,20)mass%Nb 合金焼入れ材の、内部摩擦をはじめとする材料特性に及ぼす冷間加工の影 響とそれに伴う結晶構造の変化について検討した。