高齢者喘息の治療戦略-喘息死ゼロ作戦－

摘要

現在，世界の気管支喘息患者は推定3億人といわれており，2025年には4億人に増加すると予想されている.我が国においても同様で気管支喘息はcommon diseaseとなっている.喘息の基本病態は気道の慢性疾患ということで治療の第一選択薬が吸入ステロイド薬であることは実地医家においても広く認知されている. その結果，気管支喘息による死亡数は吸入ステロイド薬の販売数と逆相関をみせる形で減少し2007年には2,540人まで減少した.しかしながら，喘息死亡者の年齢階級をみるとその9割を60歳以上が占め，その年齢層に対する治療の難しさを改めて感じされられる.