心膜膿瘍（心嚢内膿瘍）

摘要

心膜膿瘍（pericardial abscess）は化膿性の心膜液が限局性に心膜腔に貯留し形成される病態である．通常劇症型の経過をとり，放置すると急速に進行し致命率が高いことが知られている·J般的な病態は細菌性心腹炎（Bacterial pericarditis）に類似しているが，臨床的には特異的な所見に乏しく診断に苦慮する場合も多い．細菌性心膜炎の頻度はすべての感染性心（外）膜炎の5－10％とされており，心腹膿瘍の頻度は更に低く，非常にまれといえる．