欧米における心不全の疫学的研究の概要

摘要

欧米各国では，年々心不全患者数が増加している.米国心臓協会による最新の報告（2005年）によると，米国ではほぼ500万人の患者が心不全に屏息していると推定されている.また，毎年50万人が新たに心不全と診断されている.心不全による死亡者数は年々増加しており，心不全を直接もしくは2次的死因とするものは約30万人にのぼる.この傾向は今後ますます進行する社会全般の高齢化によって更に強まることと考えられる.そのため，欧米諸国において心不全は公衆衛生上の重要課題として位置付けられている.