売上高収益状況はわずかに上昇円高の悪影響など懸念

摘要

全国中小企業団体中央会の「8月の中小企業月次景況調査」によると、DI値は、前月と比べて、「景況」が9カ月ぶりに悪化したが、「売上高」「収益状況」などの6指標はわずかに上昇した。「景況」を含め8指標の変動幅はいずれも小さく、前月と比べてほぼ横ばいとなっている。「景況」の改善の動きは6月以降鈍化し、業種間には依然大きな格差がある。主要指標は、「景況」が9カ月ぶりに悪化し、その他の指標も横ばいとなった。金属·機械関連業種の回復に支えられた景況改善の動きは鈍化している。中小企業の景況は、内需低迷が統く中で、販売価格の低下と原材料価格の上昇、エコカー補助金等の景気対策の終了による需要の反動減の不安に加え、円高の悪影響など懸念材料が多く、先行き警戒が必要な状況にある。なお、情報連絡員からの報告によると、全国的に猛暑となり、飲料、エアコン等の夏向け商品で売上を伸ばした業種がある一方、商店街などではあまりの暑さで消費者が外出を控えたためか客足が伸びずに苦戦したとの報告もあった。