生活習慣病対策 公衆衛生学の立場から

摘要

健康規定要因は宿主要因と環境要因に二大別され，環境要因は生活習慣の観点から食生活，身体活動，職業，喫煙，飲酒，メンタルストレス，休養'睡眠などに分けられる.わが国では今日，"21世紀の健康づくり運動"(健康日本21)が展開されている."特定健康診査·特定保健指導"も実施され，とくにメタボリックシンドロームに注目した腹囲，血糖，血清脂質，血圧に関する健康診査'保健指導がなされている.公衆衛生専門職の責務は，健康の維持増進，疾病予防，健康寿命の延伸，労働環境整備，健康危機管理，自然環境保全などへ貢献し，人びとのQOL (生命の質，生活の質，人生の質）の向上，生き甲斐·幸福（感）をサボ一卜し，自己実現および自己完結を支援し，緩和ケア'癒しに奉仕することであろう.また，公衆衛生専門職は，科学のための科学への貢献にとどまらず，公共政策のための科学，そして科学のための政策に関与しなければならない.