閉塞性細気管支炎の臨床

摘要

閉塞性細気管支炎(BO)とは，小気管支から膜性細気管支の内腔が肉芽組織や線維組織で閉塞し，あるいは壁の線維化によって内腔の著しい狭窄·閉塞が起こった状態である.原因として，有毒ガスの吸入，膠原病. とくに関節リウマチによるもの，マイコプラズマやウィルス感染などがあげられるが，最近では骨髄移植や肺移植などの臓器移植後の発症例が増加している.B0の病初期には自覚症状ゃ他覚所見が乏しく .早期発見には呼吸機能検査が唯一の手段と考えられる.そのため国際心肺移植学会ではおもに呼吸機能検査を中心とした診断基準を設け.早期診断および早期治療を試みている治療はステロイド薬，気管支拡張薬，マクロライド療法などが試みられているが，細気管支の閉塞性変化は非可逆性で，予後はきわめて不良である.そのため，病態の解明ならびに有効な治療方法の確立が急務である.