最良のconbination治療とは

摘要

肺動脈性肺高血圧症の発症原因が多様であること，現在使用できる治療薬の作用機序が大きく 3つに分かれることなどから，併用療法は多系統の原因因子を是正でき単独療法より有用である可能性がある.併用療法を使つた多くの前向き研究でも，多くが有意な臨床指標の改善を認めている.どの併用療法が最良かに関しては， 個々の患者における肺動脈性高血圧症の原因メカ二ズムゃ藥剤への感受性を薬剤投与前に確認する方法はないため，投与して経過をみるという試行錯誤をしつつ併用をしていくしかない.併用療法の開始時期に関してはェポプロステノールの効果は3力月の投与でわかるとの報告もあるが，著者の経験では1年の投与後に改善が認められた症例もあり，急激な悪化を示す症例でなけれぱ1年は経過をみるべきと考える.シルデナフィルは6力月間まではさらに改善を示すことがあると社内資料で報告され，ボセンタンは6力月から1年でほぼ効果が現れるとされている.各薬剤ごとにこれらの期間，単剤で経過をみた後，副作用や代表的な併用療法研究の効果を参考として併用療法を考慮すべきであろう.