進藤鉄連会長、米国次期政権の行方見守る

摘要

日本鉄鋼連盟の進藤孝生会長は29日の定例会見で、米国の次期大統領となるトランプ政権の政策による影響や、鋼材需給、五輪需要などについて答えた。まず、トランプ次期大統領がNAFTA（北米自由貿易協定）、TPP（環太平洋パートナーシップ協定）からの離脱について既にビデオメッセージを公表しているが、「NAFTAについては鉄鋼、自動車などメキシコでつくったものが米国に持っていけなくなると、メキシコの経済活動全体や、鉄鋼も影響を受ける。また、TPPも就任当日になくすといってますが、これも大変厳しい状況だ」とした上で、「安倍総理も言っていますが、自由貿易体制については米国自体もメリットを得ている。保護貿易で米国の雇用が確保できるわけではなく、自由貿易を推進する中で各企業が米国に行って生産をするというサプライチェーンをつくることによって米国の雇用が保たれるというようなことをしっかり説明してわかってもらうことだと思う」と述べ、そのためにも「日本の立場としてTPPをきちんと国会で決議批准し、主張していくことだ」と強調し、次期政権就任後の行方を見守るとした。