技術トピックス／土木：電磁波レーダを用いたトンネルの高精度リアルタイム非破壊検査－信号伝播モデルを用いた斬新的な高信頼度·高精度コンクリート非破壊検査システム

摘要

電磁波レーダ法は、時間を短縮し稼働率を上げる方法としてよく知られている。 更に、本方式ではコンクリートの厚みに換算してほぼ900mmまでの深度の探査が可能である。しかしながら、これまでの電磁波レーダ法では、受信電磁波の時空間的強度分布を濃淡画像（Bモード画像）で表し、これを検査担当者が目でみることにより非破壊検査を行っていたため、良好な結果が得られていなかった。 更に、濃淡画像を目視で評価するため、最終的な検査に膨大な時間を要していた。 よって、著者は先の報告で、電磁波がとる伝播過程を忠実にシステムに反映する信号伝播モデルを用いることにより、リアルタイムで高信頻度·高精度な診断が可能な非破壊検査システムが構築できることを示し、かつ実用化した。 本稿では、この非破壊検査システムの考え方、有効性を紹介したい。 なお、そのためレーダは濃淡画像を出力する形でなく、時系列信号が出力されるよう改造している。