アジア·太平洋LNG市場における需要の季節変動と消費国連携に関する分析

摘要

天然ガスは供給安定性および環境特性に優れたエネルギー源であり，長期的にも利用の拡大が見込まれている．アジア·太平洋地域においてLNGを輸入する消費国においては，輸入契約に基づき定量的な供給が行われる一方で，需要は季節に応じて大きく変動し，その需要量と供給量ギャップが需要家の事業収支に悪影響を与えている．そのような中，近年，需要特性の違いを利用して輸入者同士が連携して需給ギャップを削減しようとする動きがある．そこで，2030年のアジア·太平洋LNG市場を推定し，LNG消費国同士の連携がもたらすエネルギー政策上の効果について分析を行う．