中性子照射脆化③：銅における高周波疲労試験後の内部摩擦及びヤング率に関する研究

摘要

多くの観察によると、転位の増殖及び点欠陥の生成は、金属疲労において重要な役割を果たすことを示唆している。数多くの研究は繰り返し変形後の転位構造の変化について報告しており、読者はそれらの解説を参考にすることが出来る。最近、電気抵抗の測定が実施されており、それらは点欠陥の配列に関して付加的な情報を与えている。然しながら、金属疲労中の転位と点欠陥の相互作用について役に立つデータは少ない。このことは、低周波疲労試験で大きな試験回数を得ようとすると、充分に長い時間が必要とされることによる。それ故、本報告は、短時間で高い疲労回数を得る事が出来る高周波（超音波）疲労試験によって疲労試験を行い、疲労後の内部摩擦及びYoung's modulusの測定結果について取り扱う。この高周波の手法は充分に合理的な時間内に結果を得ることが出来ると言う特徴を有する。