家庭用燃料電池及び水素社会への取り組み

摘要

2014年4月にエネルギー基本計画が更新され，安全性と経済性を前提とした地球環境温暖化防止とエネルギーセキュリティーを推進していく方針の下，多層化·多様化した柔軟なエネルギー需給構造構築に向けた取り組みの方向性が示された．その中で将来の中心的二次エネルギーのひとつとして水素の本格導入を行っていくことが示され，産官学連携でその推進が行われている．国の主導で立ち上げられた「水素·燃料電池戦略協議会」では，水素社会の実現に向けた取り組みの加速に向け議論が行われ，「水素·燃料電池戦略ロードマップ」に今後の方向性が具体的に示された．3つのフェーズに分けて水素社会の実現を目指すとし，フェーズ1では水素利用の飛躍的拡大，フェーズ2では水素発電の本格導入と大規模な水素供給システムの確立，フェーズ3ではトータルでのCO_2フリー水素供給システムの確立が目標と定められた．