エネルギー消費を考慮した長期需給モデルの開発と非鉄金属資源の持続的供給評価に関する研究

摘要

鉱物資源のような枯渇性資源は地球上に有限であり，銅のように歴史的に広く利用されてきているベースメタルは，その生産量の多さと採掘の歴史の長さから将来の供給が不安視されている．金属の埋蔵量を生産量で除した可採年数では，銅で30年ほど鉛·亜鉛で20年ほどであり，原油の40年程度と比較して非常に短い．採掘されている鉱石品位が低下する現象が確実に現れている．鉱石品位の低下に伴い，金属製造プロセスでエネルギー消費が増大することも考慮した，グローバルで長期の持続的な資源需給を包括的に評価することは非常に重要である．類似する既往研究と比較すると，IPCC-SRES，銅だけでなく鉛·亜鉛などのベースメタル，グローバル，線形計画法，計算期間2150 年，というキーワードを本研究は全て含むことにある．