気候変化研究の最前線－気候変化研究について

摘要

気候学とは，特定の場所·地域での長い期間にわたる大気や海洋の平均状態を研究するものであった．したがって，従来の気候研究では，主として，観測データを取得すること，および，そのデータを統計的な手法を用いて解析することが主流であった．しかしながら，20世紀後半になって，人間活動が地球環境に及ぼす影響が大きくなり，人間活動に伴う地球温暖化が学問的·社会的な大きな関心となってきた．そして，これに伴い，将来の状態に関する予測が社会的な関心を呼ぶことになり，気候変動のメカニズムの物理的，化学的な解明が重要な課題となってきた．本稿では，このような最近の気候研究に関する進展を紹介して，この特集の紹介としたい．