農業とゼロエミッション

摘要

今を去ること500万年前に東アフリカ地域における大規模な土地隆起に起因する東部の森林劣化·砂漠化に伴い，我が人類の祖先，猿人はそれまでに暮らしていた樹上から地上に降り立ち，二足歩行を始めた．これにより大脳の発達が誘起され，手を使用する道具の開発，火の利用を始め，道具を用いた自然変革を行うことを覚え，言語を持つことによってホモサピエンス（20万年前）へと進化し，現在の人類の基本的な特徴を作り出すこととなった．地上で暮らし始めた人類の祖先は，自然の豊かな，時には厳しい恵みに依存し，食料は天然物の採集や野生動物の群れを追う狩猟によって獲得して生命を維持し，その意味では自然生態系と共生し，生態系の機能の一部を担って暮らしていた．