東海道新幹線列車無線のデータ通信について

摘要

東海道新幹線は、日本の大動脈輸送を担っており、安全安定輸送の確保を最優先に、一層の旅客サービス向上に努めている。東海道新幹線の列車無線設備は、1989年にLCX方式へ設備更新が行われたが、今回、設備の老朽化に伴い、新たな設備更新を行う時期となった。更新に際しては、業務アプリケーション機能の向上、旅客サービスの向上を図るとともに自営伝送路の整備を併せて行うため、伝送容量と伝送品質の向上が期待できるデジタル方式を導入し、データ通信機能の強化を図った。新システムへの更新は、2009年2月21日翌日にわたり切り替えを行った。また、2009年3月14日のダイヤ改正より、列車無線を活用したインターネット接続サービスを開始し、順調に稼動している。このインターネット接続サービスは、東京～新大阪間のN700系新幹線の車内で利用でき、トンネル内でも途切れず常に安定した通信が可能なサービスとなっている。