鉄道における電子商取引と情報セキュリティ

摘要

「Suica」がスタートして早5年が経過し、この間順調に推移している。 これは事業者の一方ならぬ努力と共に、提供されたサービスが広く市民に受け入れられたことによるものであろう。また、本年3月18日から「PASMO」もスタートし、首都圏での交通事業環境は、新たな段階に入ったと言える。 これまでもサービス対象を乗車券とした各種サービスのカード化は、各方面で行われてきた。 これらは、事業者にとっての主軸事業である料金収受に焦点を当てたカードであり、その域での展開と言える。 しかし、「Suica」をはじめとするカードサービスは、その範囲を市民の生活環境にまで拡張し展開している。 これは市民1人1人が行動する際に、交通手段のみにではなく、必要に応じて生活のさまざまな場面で活用できることを実現している。 すなわち、携帯することによるメリットが、市民の行動と共存していると言える。これに名を付けると、ICカードを媒体とする「生活カード」と言えるであろう。