MRタギング画像からのモアレ解析を用いた心筋変位の算出

摘要

MR(magnetic resonance）タギング画像からの高精度な変位算出法を提案する．SPAMM(spatially modulation of magnetization）に代表されるタギング操作に基づく心筋の動き／変位解析では，タギングという能動的な画像化手法を用いるにも関わらず，正則化手法やエネルギ最小化手法などの導入による不良設定性を解消する受動的な画像に対する動き／変位の算出手法がそのまま適用される．勾配法に基づくオプティカルフロー上しての動き算出はその代表例である．本稿では，タギング画像の能動的な側面に着目し，タグの空間周波数特性に基づいた変位算出をモアレ解析を用いることで実現する．本手法での近似誤差が，上記の従来手法で用いられる線形近似に起因するそれよりも小さいことを，シミュレーション実験と実画像実験によって示す．