空間分布を反映した3次元画像中での等値面構造の2次元表示

摘要

近年，特に医学分野においてX線CT像やMRIなど3次元画像の利用が一般化しつつある．3次元画像を構成する等値面相互の包含·並立関係は，画像中の観察対象の関係を理解する上で有用と考えられる．我々はこれまでに，Contour Treeにより記述された等値面構造を2次元表示するContour Nestを提案している．Contour Nestは等値面間の関係のみを表しており，各等値面の原空間での分布を反映していないことから，本報告ではこの点を考慮した2次元表示手続きについて述べる．提案手法は，注目する1軸に沿った各等値面内領域の分布を求め，等値面相互の包含·並立関係を考慮してこれらの分布を配列し2次元表示するものである．本手法では，並立等値面間の相互配置と共に，各等値面が囲む領域の形状を反映する，注目軸に沿った分布も可視化される．これにより，原空間での等値面分布を反映した2次元表示が得られる．