触る分散仮想博物館における展示オブジェクトの適応型表示制御

摘要

本報告では，聴覚·視覚メディアに加え触覚メディアを扱うアプリケーションの一つとして筆者らが提案してきた触る分散仮想博物館において，展示オブジェクトを表示するときの応答特性とメディアの出力品質を改善するために，触れる展示オブジェクトの適応型表示制御方式を提案する．この方式は，展示オブジェクトのLoD (Level of Detail)制御と情報ファイルの事前送信制御から構成される．展示オブジェクトのLoD制御は，ネットワークや端末の負荷とオブジェクトの重要度（利用者の視点位置からオブジェクトまでの距離，角度，方向等から決定）に応じて動的にオブジェクト表示の詳細度の切り替えを行う．また，情報ファイルの事前送信制御では，オブジェクトに関する触覚（重さ，形状等）情報，視覚（色，模様等）情報，解説（音声，ビデオ，文字等）情報ファイルをサーバまたはクライアントに事前に送信する際に，ネットワークや端末の負荷とファイルサイズに応じて送信要求時点を可変とする．本報告では，この適応型表示制御方式の実現方法について検討を行う．