機械設備内部点検のためのパノラマ画像生成方式

摘要

機械設備内部など，広域の状態を目視で確認することが困難な環境での点検では，自走もしくは可動部に設置したカメラ動画像からパノラマの静止画像を生成することが有効である．このとき，カメラの移動と被写体に自由度がある場合のパノラマ画像生成では，視点変換や3Dオブジェクトへのマッピング等，演算量が大きい画像処理が必要となる．設備機器点検では，カメラと被写体の関係が既知であり，画像の鮮明さよりも全体の大まかな状態を短時間で確認できることが要求される．そこで，動画像の各フレームからカメラ動き方向に合わせた矩形領域を抽出し，連続性を考慮した接続によりパノラマ画像を生成する方式を提案する．エスカレーターを対象とした実験により，視認性の高い画像を低演算量で生成可能であることを確認した．