Inter-frame Delayを考慮したローリングシャッターカメラのトラッキング手法の検討

摘要

本報告ではローリングシャッターカメラによって取得された画像に対するカメラ位置·姿勢推定手法を提案する．ローリングシャッターカメラの位置·姿勢推定問題では，現フレームの画像取得終了から次フレームの画像取得開始の間に生じるInter-frame Delayを考慮する必要がある．このInter-frame Delayの取得には特殊な機器が必要であり，また，Inter-frame Delayの大きさはカメラの露光時間に依存して動的に変化するという問題がある．そこで，本研究では，Inter-frame Delayの大きさに依存しないカメラ位置·姿勢推定を実現する．具体的には，複数の2D-3Dの対応関係を用い，単一フレームからフレームの取得開始時のカメラ位置·姿勢とフレームの取得終了時のカメラ位置·姿勢の12パラメータを推定することで，フレーム取得中のカメラ運動を推定する．シミュレーション環境および実画像を用いた実験により，提案手法はローリングシャッターによる画像歪が生じた場合においても高精度にカメラ位置·姿勢を推定できることを確認した．