VOC排出規制と処理·回収技術①：シリコーンゴム膜モジュールによるVOC回収

摘要

VOC (Volatile Organic Compounds)とは空気中に存在する揮発性有機蒸気のことで、ガソリンスタンドからのガソリン蒸気、クリーニング店からのテトラクロロエチレン蒸気、化学工場からのアセトン蒸気、さらに醸造所からのアルコール蒸気など、排出源と成分は様々である。 米国とドイツでは1990年代からVOC規制が始まり、これに対応して、クリーニング業界における塩素系有機溶剤蒸気の排出防止、およびガソリンスタンドからのガソリン蒸気の漏洩防止を目的としたプロセスが開発·研究されていたが、日本ではそれほど注目されていなかったようである。 しかし、1999年に法制化されたPRTR（化学物質排出移動量届出制度）により、有機蒸気の排出量が各所で把握されるようになった。PRTR自身は規制法ではないのだが、これにもとづき、条例などでVOC蒸気排出を規制する動きが出てきた。このため、印刷業界、燃料業界、さらに一般の工場でも対策の必要性が認識され、各方面でVOC蒸気回収の必要性が高まっているというのが現在の状況である。