微生物を利用した環境修復技術：嫌気性バイオレメディエーションによる塩素化エチレンの処理

摘要

トリクロロエチレン(TCE)やテトラクロロエチレン(PCE)等の塩素化エチレンによる土壌、地下水の汚染が問題となっている。 かつては真空抽出、ばっ気処理と活性炭吸着を組み合わせた方法による浄化方法が主流であったが、近年は化学的、生物学的方法を利用した浄化法の研究、実用化が盛んになりつつある。 その中でも微生物、特に嫌気性細菌を利用したバイオレメディエーションによる浄化法は、低コストでの原位置浄化が可能であることから、近年特に注目を集めている。本稿では、当社での技術開発状況を織り交ぜながら、我が国および欧米でのバイオレメディエーション技術の変遷、動向について、その概略を説明する。