エレクトロニクス市場の動向を読む：本格化するMVNO導入の動き

摘要

現在、わが国ではMVNO（仮想移動通信事業者：Mobile Virtual Network Operator）の本格的導入に向け議論が進められている。 MVNOは、移動通信サービスに必要なネットワークや基地局の設備を自ら持たず、設備を保有する移動通信事業者(MNO：Mobile Network Operatorという）から、それらを借り受けてサービスを提供する業態である（図1）。 電波は有限の資源であり、移動通信サービスを提供するための電波の割り当てを受けている事業者（第一種通信事業者）の数は限られている（日本の場合、現行の携帯電話サービスは1地域に3～4社）。 しかしながら、そうした事業者の余った電波や設備を借りて独自のサービスを展開することが可能になれば、移動通信サービスへの新規参入が増えることになり、多様なサービスの登場や料金の低価格化などが期待される。