電気二重層キャパシタの充放電制御用集積回路の開発

摘要

最近、大きな電気蓄積容量を持ったキャパシタが開発され、効率の良い電力貯蔵用として期待されるようになってきた。 このキャパシタは電気二重層キャパシタと呼ばれ、電解液と電極間に形成される電気二重層に電荷を蓄積する。 この電気二重層は1879年にヘルムホルツが発見したもので、電気二重層が数オングストローム程度の極めて狭い領域に形成されるために、体積当たりの蓄積容量が極めて大きいキャパシタを実現出来ると期待されてきた。 しかしリーク電流が大きかったり、動作が不安定だったりしたため、実用的な見地からの研究は行われてこなかった。 しかし、近年の科学技術の進歩により、材料の純度、化学薬品の取扱い方などが向上したため、これらの欠点がない良好な大容量キャパシタが実現されるようになってきた。 現在、その体積あたりの蓄電容量は、鉛蓄電池の蓄電容量に近づきつつあり、今後の発展が期待されている。