超並列数値シミュレーションにおける倍精度浮動小数点データ圧縮手法に関する一考察

摘要

GPGPU （General-Purpose computing on Graphics Processing Units）などの超並列環境を用いて科学技術計算を行う場合，計算結果を表示したり，途中経過をチェックポイントとして保存したりするために，主記憶や2次記憶に倍精度浮動小数点数のデータを転送する必要がある．これらのデータは膨大な量になりうるため，特にチェックポインティングなどの用途では，データを圧縮することが求められる．転送のオーバヘッドを考慮すると，この圧縮処理は，超並列計算の一部として実行できることが望ましい．従来の浮動小数点数圧縮方式は，必ずしも並列性が高くなく，超並列計算には適さなかった．本稿では，このような用途に適した並列データ圧縮手法として，補外による浮動小数点数の予測器を用いる方法を提案する．また，提案手法のCPUへの実装と，圧縮率，圧縮速度の測定結果について報告する．